初期胎児ドック妊娠12週前後
初期胎児ドック検査とは
- 超音波検査で、妊娠12週から13週の間に行います。
- 胎児の計測、むくみ(NT)の測定、鼻骨の観察、静脈管(肝臓の中の血管)の観察、三尖弁(心臓の中にある弁)逆流の有無を観察し、計測された結果に基づいてリスク計算をおこないます。
異常が見いだされた場合に、対応可能な病院との相談や出生後の治療を考慮した分娩方法を事前に準備することが出来ます。
初期胎児ドックでわかること
ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーなどの病気の確率がわかります。血清マーカーとは違い、結果はその日に分かります。
どんな人が受ける検査
- 病気があれば早く見つけてあげたいと考える人
- 高齢妊娠などで染色体の病気が心配な人
- 赤ちゃんの染色体検査を考えている人
- 以前に赤ちゃんに病気がみつかった人
中期胎児ドック妊娠20週前後
中期胎児ドック検査でわかること
通常の妊婦健診で行う超音波検査とは異なり、赤ちゃんをより精密に観察し、病気の可能性を調べる検査です。
臓器が形成され、発育段階に入っていく時期で、頭部から心臓をはじめとする臓器、体表面・手足、胎盤などをチェックリストに沿って、詳細に確認します。
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後期胎児ドック妊娠30週前後
後期胎児ドック検査でわかること
中期胎児ドックの観察内容とほぼ同じですが、赤ちゃんの成長に伴って、臓器がきちんと発育しているかを観察する検査です。
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胎児ドックについて
検査時間
検査時間は約30分です。赤ちゃんの向きや子宮の状態によって時間がかかる場合があります。
検査は日本産科婦人科学会専門医、英国FMF胎児超音波研究所の胎児超音波資格を有する医師が担当いたします。
チェックリスト
中期胎児ドック・後期胎児ドックでは、チェックリストに沿って、一つ一つの項目を確認していきます。
観察部位 | 観察項目 | 観察内容 |
---|---|---|
頭部 | 頭蓋骨 | 半球状、変形や欠損の有無 |
大脳鎌 | 正中 | |
側脳室 | 拡大の有無 | |
脈絡叢 | 脈絡叢嚢胞の有無 | |
小脳 | 低形成、虫部欠損の有無 | |
大槽 | 拡大の有無 | |
頸部 | 形態 | 嚢胞や腫瘤の有無 |
顔面 | 眼球 | 水晶体の有無 |
口唇 | 口唇裂の有無 | |
胸部 | 肺 | 両側に均一、胸水や腫瘤・嚢胞の有無 左右の均衡が保たれている |
横隔膜 | 腹部との境界が連続的 | |
心臓 | 四腔断面 | 左右の確認、心拡大の有無、心臓軸が左方 正常脈で不整脈がない 左右心室・心房の形態、左右差の有無 心室中隔の連続性 房室弁 肺静脈の流入 |
LVOT断面 | 大動脈の起始 | |
RVOT断面 | 肺動脈の起始 | |
3V view | 肺動脈・上行大動脈・上大動脈の整列と大きさ | |
3VT view | 動脈管弓と大動脈弓の大きさと位置 血流方向 |
|
腹部 | 胃胞 | 左上腹部 |
泌尿器 | 腎臓 | 両側、腎盂拡大の有無 |
膀胱 | 骨盤部 | |
臍部 | ヘルニアや欠損の有無 | |
臍帯動脈 | 膀胱の両側から2本 | |
脊椎 | 脊椎 | 変形、皮膚の欠損や膨隆の有無 |
四肢 | 上肢 | 前腕、上腕の確認 |
下肢 | 下肢、大腿の確認 |
超音波による胎児形態の標準的評価法(ガイドライン)、参照:日本産婦人科医会ホームページ16.妊娠中期の精密超音波検査